最新情報

2014/02/07 
Q&Aの更新(特別縁故者とは)
「特別縁故者とは」についてのQ&Aを更新しました。

http://www.souzoku-kangaeru.jp/qa/?id=1391738806-159381

一般的な相続問題・相続トラブルとはやや遠い話題ですが、是非ともご参照ください。
2014/02/05 
Q&Aの更新(遺留分算定における遺産の評価基準時)
「遺留分算定における遺産の評価基準時」についての、Q&Aを更新しました。

http://www.souzoku-kangaeru.jp/qa/?id=1391571894-407397

相続トラブルの解決には、こういった不動産の金額に関する知識も大変有用です。
是非ともご参照ください。
2014/01/20 
平成25年9月13日最高裁判決(主債務を相続した保証人の消滅時効の中断に関する判断)
【事案と争点】
※事案は,説明の便宜のために簡略化してあります。

◎事案
①Aは,平成12年9月28日に,事業の資金として,Bに3000万円を貸しました。この時,Cが,Bの債務(3000万円を返す義務)を保証し,CはBの保証人になりました。
②しかし,Bは平成13年6月30日に死亡しました。Bの相続人は,Cただ一人でした。
③その後,Cが「保証人」として,平成15年12月15日から平成19年3月30日にかけて,分割してAに合計400万円を返しました。
④Aは,Cに対して,平成22年1月13日,残りの2600万円について支払うよう,裁判を起こしました。

◎争点
 CがBの相続人になった時点で,CはBの「主たる債務(*1)」を相続します。そうするとCは,「Aからお金を借りた人(主債務者)」であり,「Aから借りたお金を保証した人(保証人)」でもあります。
 ③より,Cは保証人としてお金を返し続けていたので,平成19年3月30日までは,保証債務については時効が中断しています(*2,*3)。したがって,保証債務(*4)が時効により消滅するのは,平成24年3月30日(に日付が変わった時)です。よって,CはAに,「保証債務」が時効によって消滅したとは言えません。
 ところが,Bは一度も,Aに対してお金を返していません。そうすると,Cはあくまで「保証人として」お金を返していただけなので,平成17年2月28日(Bがお金を借りてから5年後)には,「主たる債務」は時効によって消滅しているように思えます。しかし一方で,Bの相続人であるCは,「主債務者」でもあります。主債務者がお金を返し続けているのに,時効の成立を認めてしまってもいいのでしょうか。
 平成25年9月13日の最高裁判所判決は,これについて判断を示したものです。

【最高裁判所の判断】
「保証人が主たる債務を相続したことを知りながら保証債務の弁済(*5)をした場合,当該弁済は,特段の事情のない限り,主たる債務者による承認として当該主たる債務の消滅時効を中断する効力を有する」(判決理由より抜粋)
 
 これは,結論としては「主たる債務」の時効による消滅を認めない,ということになります。
 そして最高裁は,このような結論に至った理由として,①Cは「主債務者」でもあるから,主債務を弁済することで時効を中断することの出来る立場であること,②保証債務は,主債務が存在することを前提とするものなので,Cが保証債務を弁済することは,主債務が消滅していないことを前提とする行為であること,③主債務者としてお金を返さず,保証人としてはお金を返すという意思を持って行動することは,通常,想定し難いこと,の3点を挙げています。

【相続において気を付けるべきこと】
 相続とは,プラスの財産だけを貰える手続ではありません。
本件の事例でいえば,被相続人(亡くなった人)が,財産も借金も持っているが,借金は時効で消滅すると考えて相続放棄をしなかったところ,借金の時効による消滅が認められず,結局,マイナスの財産(借金や連帯保証人の地位など)がプラスの財産を上回ってしまうという事態が考えられます。
 もっとも,この判決においては相続人も保証人もCただ一人であったため,他に相続人や保証人がいた場合は,本件とは逆の判断になる可能性も十分考えられます。
 いずれにせよ,相続の手続をする際には,被相続人に債務がないか,特に被相続人が連帯保証人になっていないかなどは,十分に調査した上で相続手続を進めることが重要です。

【用語】
*1 「主債務(主たる債務)」とは,保証人に保証を受けている債務(借りたお金を返す義務など)をいいます。

*2 「消滅時効」とは,ある権利を一定の期間内に行使しなかった場合に,その権利が消滅する制度のことをいいます。事業の資金など,商売に関係するお金の貸し借りは,原則として5年で消滅時効にかかります。

*3 「時効の中断」とは,それまで進行していた時効期間がリセットされることをいいます。時効を中断できる行為として,この判決では「借りたお金の一部を返したこと」が問題になりました。

*4 「保証債務」は,保証人が負う義務ですが,「主債務」が消滅すると,「保証債務」も消滅します(「附従性」といいます)。この判決では,主債務が時効によって消滅すれば,保証債務も消滅するという関係にあります。

*5 「弁済」とは,債務の内容を実現して,債務を消滅させることをいいます。この判決における弁済とは,借りたお金を返すことです。


文責 中島裕一

2013/09/18 
平成25年9月4日最高裁判決(非嫡出子の法定相続分)
「嫡出子(ちゃくしゅつし)」とは,法律上の婚姻関係にある男女間に生まれた子(婚姻前または婚姻中に夫が認知した子,および養子を含む)をいいます。
「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」とは,嫡出子以外の子をいいます。

民法は,非嫡出子の法定相続分を,嫡出子の法定相続分の2分の1と定めています(民法900条4号ただし書き)。この非嫡出子の法定相続分が,法の下の平等を定めた憲法14条1項に違反していないかについては,従来から裁判で争われてきました。

この点について,最高裁は,9月4日,婚姻に対する国民意識の多様化,諸外国における同様の規程の撤廃などを理由に,①この裁判の対象の相続が開始した平成13年7月時点では,非嫡出子の法定相続分は憲法に違反していた,と判断しました。ただし,同決定は,②上記判断は平成13年7月より前に開始した相続には適用されない,③平成13年7月以後に開始した相続であっても,同決定(平成25年9月4日)より前に遺産分割協議等で確定した法律関係には影響を及ぼさない,と述べています。
また,最高裁判所は,平成12年9月に開始した相続が対象となった別の裁判で,④(平成12年9月当時において)非嫡出子の法定相続分は違憲ではなかった,と判断しています(最高裁平成15年3月31日判決)。

以上をふまえると,今後,非嫡出子の法定相続分は,次のように場合分けして判断されることになります。

(1) 平成12年9月以前に相続が開始した場合
⇒ 嫡出子の2分の1
(2) 平成12年9月より後,平成13年7月より前に相続が開始した場合
   ⇒ 今後の裁判により判断
(3) 平成13年7月以降に相続が開始した場合
⇒ 平成25年9月4日までに遺産分割協議等が成立 ⇒ 嫡出子の2分の1
⇒ 平成25年9月4日までに遺産分割協議等が未成立 ⇒ 嫡出子と同等

いずれにせよ,相続人の中に嫡出子と非嫡出子がいる場合は,法律関係が複雑になりがちです。このような場合には,争いを未然に防ぐためにも,遺言で相続割合を定めておくことが特に重要と言えます。

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